あなたの知らないゾウムシの世界 (キモカワ画像注意)

ゾウムシやばい。まじやばい。8 月にその名も「象虫」っていう写真集が出たんですが、その内容がすごすぎたので紹介しますよ…!

象虫:マイクロプレゼンス―小檜山賢二写真集

象虫:マイクロプレゼンス―小檜山賢二写真集

ゾウムシって?

ゾウムシは体長数ミリ程度の昆虫の一種で、漢字で書くと「象虫」。鼻*1が長いことから、そうした名前になったとか。日本国内はもとより世界中にさまざまな種類がいる。生物のなかでも、もっとも多用な色・形・大きさをしているグループらしい。

著者の小檜山先生は私の大学時代の恩師*2で、もともと NTT 無線システム研究所長で PHS の作ったりしていた方でした。その一方で趣味の昆虫を極めすぎて齢 60 を超えて写真家デビュー、気がつけば写真集まで出版されておりました。

そんな先生が夢中になっているゾウムシ、何がどう多彩かはいくつか写真集の画像からサンプルもらったので以下ご覧くださいー。

そこそこ普通のゾウムシ(ハイイロチョッキリ)

ゾウムシ、多彩すぎて何が一般的なのかよくわからないのだけど、たぶん見た目も生態もかなりメジャーな感じのゾウムシ。枝を切り落としたりするみたい。

ネズミ風のラブリーなゾウムシ(エゴヒゲナガゾウムシ)

目がどこにあるのか謎なネズミー風。かわいい。

水玉のおしゃれゾウムシ(アオモンホウセキカタゾウムシ)

水色とブラックというのもかなりおしゃれ系。こういう昆虫の色って、何を意図してこうなるんですかね…。

触覚が異常に長いゾウムシ(イトヒゲナガゾウムシ)

このへんから徐々に形が変なやつへ。生きてて折れたりしないのかしら。

首どうしちゃったのと心配になるゾウムシ(ロクロクビオトシブミ)

キター!何がどうしてこんな首に。いちばん始めに見た生物と同じグループというのが信じられなくなってきました。

どうバランスをとっているのか謎なゾウムシ(アシナガミツギリゾウムシ)

さらにキター!何がどうしてこんな足に。欧米化?ちょっと首をかしげているような顔もラブリーすぎる。

テレタビーズぽいゾウムシ(ニケリーホウセキゾウムシ)

つぶらな瞳。なんか見たことあると思ったらちょとテレタビーズぽくないですか。

漂流教室の新人類ぽいゾウムシ(シロモンクモゾウムシ)

これもデジャヴ感があったけど、ああ漂流教室で見た気が…

スターウォーズにいた気がするゾウムシ(アカムネオオイボゾウムシ・アカモンオオイボゾウムシ)

この二匹はスターウォーズで見た顔。街中のシーンとか。イウォークもちょっと入ってる。


ケーキになったゾウムシ(マッシロヒメシロコブゾウムシ)

これまったくの余談ですが、先生が大学を退官されるときのパーティで、このゾウムシをケーキにしてもらいました。

これが

こうなった。パティシエの技を見ました…!プロすばらしい…。

デジタル合成技術「マイクロフォトコラージュ」で全箇所にピント

この写真集、何がすごいかっていうと、ゾウムシそのものの魅力をあますとこなく伝えてるとともに「ゾウムシの全箇所にピントがあっている」というのがほんとすごい。ふつう、これくらい小さい生物になると写真を撮影すると一カ所にしかピントが合わない。でもこの写真集では、標本のさまざまな場所にピントを合わせた写真をデジタル合成して、全部ピントが合うようにしている。この技術をマイクロフォトコラージュっていうんだとか。実物を見たってこんな風には見えない、デジタルだからこその世界観があるわけです。

続きは本でどうぞ!

いやーほんとかわいいですゾウムシ。こんな工芸品のような生物が進化の過程で生まれるなんて、神様ってばセンスあるわー。ここに出てるのはほんの一部で、本ではまだまださまざまな種類のかっちょいいゾウムシたちが紹介されております!

象虫:マイクロプレゼンス―小檜山賢二写真集

象虫:マイクロプレゼンス―小檜山賢二写真集

*1:本当は口らしい

*2:結婚式で祝辞をいただいたのだけど、一言目に夫に「カンサイさんと結婚してくれてありがとう」と言ったりおちゃめな先生です